『デモクラティア』間瀬元朗作第8話 無差別殺人を止められるのか

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民主主義の基本、多数決によって行動を選択していくロボット【人型】。舞と名付けられたロボットが事件に巻き込まれてます。デモクラティアのヒトガタのルールを改めて書いておきます。途中から読むと何を言ってるのか訳がわからないと思うので。スピリッツの脚注からお借りしています。

デモクラティアのルール

ヒトガタ(舞)は人間そっくりに作られたロボット。無作為に選ばれた3000人の参加者に操作され、自我はいっさい持たない。参加者はネット上の多数決を通じてヒトガタの行動をコントロールするが、固有名詞は文字変換されるため、現実世界で接触することはできない。参加者同士はチャットを通じて意見交換でき、他のユーザを説得することも可能。

多数決は通常のものとは少し違う。最初、3000人が全員が案を出し、多数案3つと立案の早かった単一案2つの計5つが残る。そしてその5つでもう一度多数決が行われ、最終案が言動に採用される。

うまくまとめられませんね。。ややこしいですが、そういう設定です。最初のレビューはこちら。

間瀬元朗作『デモクラティア』 漫画新連載レビュー週刊BCスピリッ

第8話までのあらすじ

週刊BCスピリッツ新連載6連弾!まとめ2013

上の記事でも少し触れましたが、より詳しく。

キモオタの派遣社員瀬野

瀬野は友達もおらず、もちろん彼女もいない孤独な青年。唯一の居場所はネットの掲示板だった。とあるきっかけでヒトガタの舞と出会いドライブデートに誘う。しかし、デートの終わりにひで丸というデモクラティア参加者の単一案、「お前キモいよ」が採用され、瀬尾の心に突き刺さる。派遣の期限も切れて、さらにネットの掲示板では自身の偽物も現れ、最近では無視されることも多くなってきた。悪いことばかり重なるのを、無差別殺人という形で振り払おうとしてしまう。

3000人の参加者の変則多数決で意思決定される舞

舞のメンテナンス中や充電中、人間で言うと寝ている時に、参加者どうしではチャットが行われる。昼間の行動の多数決に加われなかった参加者が、今日どんな感じで行動したのかを、確認したりするのにも使われている。そこで、瀬野の殺人予告にどう対処するかが議論されていた。そこで、自身が交通事故により下半身麻痺になっている花ちわわは、その経験から無差別殺人を止めようと皆に提案し説得する。そして瀬野をとめる行動にでることで皆の意見は一致する。

不安定な瀬野

舞が引き止めに来てくれたことにより、瀬野は安堵する。追い詰められた顔だったが、舞の「友達だから」(花チワワの単一案)という発言により涙を浮かべ、笑顔になる。しかし、ネットの掲示板を見た誰かが通報したらしく、警察がそこに現れる。またパニック状態に陥った瀬野は、舞を人質に車で逃走する。舞は車の中で必死に瀬野を説得。花チワワや、ヒデ丸といった現実でも似た経験をもつ参加者の、核心をつく説得が次々と採択されるものの、一度開いた心を閉じた瀬野は、頑なに心をひらこうとはしない。

8話まではこんな展開です。もっとまとめられたいいのですが。。

第8話までのレビュー

ここからは僕の推測、憶測なんでも来いです。あくまで個人の主観wちなみに一番気になったのは、井熊がローションまみれの手を、怪しい目つきで、舞の股間に近づいていく所。そういう展開もありなの?!とびびりましたw

変則多数決がもたらす独特の展開速度

もっとまじめにレビューしましょう。この漫画が変則多数決でなければ、もっと早い展開になっていたと思います。第6話なんてほとんどチャットの世界。攻殻機動隊のタチコマ同士のやりとりに似ています。あちらはAIに自我(ゴースト)が宿るのかというのが一つのテーマなのに対し、こちらでは【民衆の多数決】による、究極の自我の創造。作者さん絶対攻殻ファンだと思いますw

独特の展開でしたが、第8話は参加者の顔、瀬野、舞、単一案!などコマがめまぐるしく変わります。逆にスピード感を産みます。花チワワの長台詞が、どうやって一番はやい単一案に選ばれたかは謎ですがwチャットで相談してたのでその辺が関係あるんだと思います。それぞれ参加者が自分の部屋で、それぞれの思いを血相変えて打ち込んでいるさまは、なかなか迫力があります。

洗練された参加者

今までに散歩にいったりショッピングにいったりで参加者たちは淘汰され、訓練されてきています。積極的に案を出さない参加者や、多数決に参加しない参加者は、デモクラティアシステムから弾かれるようになっています。これをゲームとするならば、コアユーザー以外はどんどん垢バンくらってる状態です。恐ろしい。ですので今現在残っているユーザーは、結構な自分の時間を舞につぎ込み、真剣に考えているユーザーとなります。

本来、ヒトガタプロジェクト始動の同期は、究極のニンゲン。3000人の参加による本来、人一人では絶対得られない大量の経験。そしてそれを多数決に基づき、客観的に正しいとされる言動に落とし込まれる。そうして出来上がるのは、大衆の経験に基づく、万人が支持した意見。それは、共産党のトップにも似た偉大なるリーダーになりえるのではないかということ。民主主義である多数決により、圧倒的に正しい独裁者が生まれると。まだまだそこまでは行きませんし、そういう方向に行くかもわかりませんが。なんにせよこれからの展開が楽しみです。

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画像:コミックナタリー「イキガミ」の間瀬元朗、民主主義×ロボットの異色新連載