手原和憲作 「夕空のクライフイズム」熱くない冷静な高校サッカー漫画 週刊ビックコミックスピリッツ新連載レビュー

 「あさひなぐ」や「ラストイニング」など、スピリッツで絶賛連載中ですが、学園スポーツものは余り読まないので、すぐにレビューせずにいましたが、ちゃくちゃくと面白くなってきました。とりあえず読んで見たら、スポ根感は全くなく、たんたんと進み、ほんの少しのギャグも交えつつ、独特の雰囲気を持っています。とりあえず読んで見ないと分からない空気感ですね。それを伝えるのが僕の役目なので精進します。

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小学館新人コミック大賞青年部門受賞の若手作家の手原和憲氏

 「ミル」を月刊!スピリッツで2009年から連載中。Amazonの評価はなかなか高いです。飼い猫が女子高生に化けて出てくる話みたいです。「夕空のクライフイズム」の雰囲気が好きな自分としては、この作品にも期待が持てます。でも月刊!スピリッツ見たことないな。。週刊での連載は今回が初の手原和憲氏ですが、話のススメ方といい、キャラの設定といい、勢いでなくちゃくちゃくと計算されている感じがあります。そして女の子が可愛い。2009年からなので5年近く連載していることになります。経験が浅いとは言え、連載経験があるのは期待できます。
 Twitterもやられている見たいです。@taharakazunori画像お借りします。

スポ根じゃないのに、青春なサッカー漫画

 高校2年生の主人公、今中はサッカー部の補欠でした。3年生が卒業し、自分たちの代になった時に監督が交代。前監督は型どおりに行く、ガチガチのサッカーで主人公の高校をある程度の強さに育ててきましたが、新監督はクライフイズムというサッカーで最も美しいとされるスタイルの虜でした。タイトルにもなっているクライフイズム。世界最高峰のリーガ・エスパニョーラのバルセロナがクライフイズムを継承してると言われています。超攻撃的なスタイルで、勝つことより美しさにこだわるようです。自分達の教えられていたサッカーとの違いに困惑する仲間たち。そしてその変化がチームを変えていきます。

テクニカルコーチ?のヒロイン「雨宮雨」

 ヒロインを紹介します。このヒロインがドツボだったので読み始めました。この学校は中高一貫で、雨は中学3年生で新監督の娘です。新監督の元、よくあるマネージャーという設定ではなく、テクニカルコーチとして物語に登場します。大のサッカーオタクで、選手たちにクライフイズムたるやを説明する時には、テンションが上がりまくります。今中が憧れる選手についても、少しマニアックらしいのですが、ぐいぐい話に食いついてくるぐらいのオタクっぷり。(参照:憧れの選手のブログで紹介されてます。)雨もサッカー経験者らしいのですが、異様に体力が無いので、何か理由がありそうです。少し変わった雨と雨宮監督の親子が、この漫画の肝になりそうです。

夕空のクライフイズムはスポーツ漫画が嫌いな人にもおすすめです。

 僕がそうなので、面白いと思います。サッカーには全然詳しくなく、ウィニングイレブン8でちょっと遊んだくらいです。スポーツ漫画の定番の展開といえば、「主人公が新入生で何かずば抜けた才能を持っている」から始まり、「実は優れた才能の仲間がいた!!」みたいな展開が多いです。そして、「夕空のクライフイズム」も、話の筋だけではその定番に沿っています。主人公の今中はドリブルが上手いという設定です。しかし、それだけではなくて、スタミナが全然無くて、パスも下手、だから現状補欠という落ちぶれっぷり。チームのキャプテンからも「お前は天才ドリブラーではなく、努力のドリブラーだから、ドリブルだけでどうにかするのは諦めろ」みたいなことも言われちゃいます。そこに現れた新監督が、「ドリブルだけていいですよ」なんていって、個人練習ではドリブルばかりしています。定番とは少し違う、大人びたスポーツ漫画です。
 「夕空のクライフイズム」はサッカー漫画ではなく、サッカー分析漫画に近いです。レビューを書いてる時点では、練習試合とかもありません。「シャビ(バルセロナの有名選手)がなぜ余裕を持ってプレイしているのか」などを、ファミレスで例えて説明してくれます。僕はサッカーに詳しくはないですが、見るのは好きです。でも単調なテレビの解説とかは嫌いです。この漫画が説明が上手く、勉強になるので、これからはサッカー見るのが少し面白くなりそうです。そしてこれからは、試合なども挟んで来ると思います。手原和憲氏がどんな風に試合を描くのかも楽しみです。
※4/26追記

4月30日第一巻発売!!

手原和憲氏の短編サッカー漫画

サッカー漫画は本当に数多くありますが、他の話を読みたい!と思うものはこれまでありませんでした。自分はサッカーには詳しくありませんが、手原氏の細かい技術の話もありながら素人でも理解できる話の組み立ては見事というほかないです。

緊張と緩和のバランスでいえば緩和(コメディ的要素)が優勢ですが、ストーリーの緊張感などスポーツ漫画に必要な要素を損なっておらず読後感も清々しいものがあると思います。

個人的には「ウノゼロ」の話が一番好きですが、どの話も最後には感動してしまいます。

手原氏の次回作に期待します! 

amazonレビューより引用

手原氏は、ちょいちょい読み切りのサッカー漫画を書いておられるそうで、それをまとめたものが発売されています。「夕空のクライフイズム」が面白い!!と思われた方は是非よんで見てはいかがでしょうか。

冒頭で紹介した猫が化けて出る漫画「ミル」

現在6巻まで発売中。Kindle版もあります。短篇集「68m」も面白そうなのでポチりそうです。電子書籍はポチった瞬間に読めるので、怖いです。